カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
住宅VC(ボランタリーチェーン)は、工務店が事業、自社ブランドの独立性を保ったまま、VC本部が情報や工法、システム、資材購入などの支援を工務店に対して行う共同化のための組織である。 具体的には、①本部が大量に仕入れたり、生産したものを安い価格で品質的・量的に安定した供給を受けることができる、②本部が開発したオリジナル部品、工法などを独占的に活用することができる、③広告、宣伝など本部による販売促進活動が利用できるなどが、特徴となっている。 現在30社ほどの住宅VCがあり、そこに加盟している工務店は5300社程である。住宅VCへの加盟には、それなりの企業規模が必要で年間10棟程度以上、売上げ3億円程以上の工務店が加盟対象となる。現状の住宅市場を見ると、年間10棟程以上建設している工務店の数は、全国で1万5000社程でしかない。 また住宅VCには不動産業者や建設業者などから注文住宅ビジネスに新たに参入するために、加盟するところも多いので、そうした加盟店を引いても、加盟に適した規模の1/3程の工務店がすでになんらかの住宅VCに加盟していることになる。 住宅VCの場合、加盟店の独立性が高いので、そこで建設されている住宅のすべてが住宅VCによるものとは限らない。VCにもとづいた住宅建設戸数を、加盟店1社当たり年間10棟程度としたならば、住宅VCの市場規模は、年間5万棟程度と推定される。 いっぽう住宅FC(フランチャイズチェーン)は、工務店の名称を使用せず、本部事業ブランドによる住宅供給事業を行う業態で、FC本部が、加盟店である事業者との間でフランチャイズ契約を結び、自己の商標、サービス・マーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに住宅の販売、施工など行う権利を与え、加盟店(フランチャイジー)はその見返りとして一定の対価を支払う。 具体的には、①優れたフランチャイズ・パッケージを利用することにより、他の事業者との競争力が強くなる。②本部が大量に仕入れたり、生産したものを安い価格で品質的・量的に安定した供給を受けることができる。③広告、宣伝、その他の本部による販売促進活動を利用できる。④本部が抱える法律、税務、陳列経営などの専門家の指導、援助を受けることができる。⑤商品開発については本部が専念してくれる。 1980年代はじめに最初の住宅FCが生まれてから、この20数年間の間に40社程の住宅FCが誕生しているが、現在も住宅FCとして動いているのは10社程でしかない。ここに加盟している工務店は800社程で、住宅FC全体での年間の建設棟数は、1万2000棟程度となっている。 また住宅FCへの場合、テリトリー制をとっており、テリトリーの数を全国に300程度としているところが多い。住宅FCへの加盟には、施工能力やそれなりの企業規模が必要である。現状の住宅市場を見ると、年間20棟程建設している工務店の数は、地域テリトリー内では20社程となっている。もちろん住宅FCに加盟するのは、住宅専業の工務店ではなく不動産業者や建設業者などから注文住宅へ入ってきたところも多いが、それでもテリトリー内で潜在的に住宅FCに加盟できる能力を持った会社は30~40社と考えてよい。 住宅供給サイドから検討すると、一つのテリトリーで可能な住宅FCは6~8社程度と考えられる。6~8社ならば年間120~160棟で、テリトリー内でのシェアは10~13%となるので住宅需要側から考えても妥当な数である。 300テリトリーの中で住宅FCが出るのはその半分の150とすると、一つの住宅FCの年間建設棟数は3000棟で、住宅FCが6~8社となると年間1万8000棟~2万4000棟ということになる。住宅FCがまだまだ検討する余地も多いと言える。
by thirdage
| 2012-06-07 17:16
| 第三世代の住宅供給業者
|
ファン申請 |
||