カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
1950年代に始まった第一世代の住宅供給業者は住宅金融業者として戦後経済復興の時代に「おかね」で、また1960年代からの第二世代の住宅供給業者は、住宅メーカーとして工業化による高度経済成長の時代に「もの」によって需要を取りまとめてきた。 いっぽう1980年代からの第三世代の住宅供給業者は、情報化社会に進む成熟経済の時代にいわば住宅販売業者として「情報」によって需要を取りまとめてきている。 第三世代の住宅供給業者の第1の特徴は「DCM(デマンド・チェーン・マネジメント)」にある。一般の消費財メーカーのような供給側から見た効率化すなわちサプライ・チェーン・マネジメントではなく、第三世代の住宅供給業者の多くは需要側から見た効率化であるデマンド・チェーン・マネジメントを行っている。 これを可能にしたのは、オープンな住宅部品市場の存在である。第三世代の住宅供給業者は、住宅部品メーカーから需要に合わせ必要な部品、部材を調達することができる。 第2の特徴は、いわゆる「ファブレスメーカー」であるということである。第三世代の住宅供給業者のほとんどは、全国に700以上もある木造軸組部材のプレカット工場を使っている。オープンな住宅部品と軸組部材のプレカットによって、現場で施工工数を、工場生産による第二世代の住宅供給業者である住宅メーカーと大きな違いがないほどに減少させることができた。 オープンな住宅生産インフラを利用することによって、クローズドで個別な生産設備や生産組織を持たないでも、効率的に住宅を供給することができるようになり、第三世代の住宅供給業者は、そうした生産インフラを利用し、生産システムにはなんら投資することなく供給を伸ばすことができた。 第3の特徴として「地元業者の活用」が挙げられる。より顧客に身近な地元業者を活用することによって、顧客にとっての地元業者の安心と、地域情報に詳しくフットワークが軽く小回りができる効率をプラスすることができる。FCやVCは地域に根ざした工務店のネットワークであり、パワービルダーも土地の仕入れや分譲住宅の販売に地元不動産業者を積極的に活用している。 第三世代の住宅供給業者の第4の特徴は「情報技術の活用」である。1980年代中頃から始まったパーソナルコンピュータの設計、施工管理への活用、さらに1990年代中頃からのインターネットの普及によって、集中処理ではなく分散化した個別の情報処理が可能になった。 これにより、より需要者に近い場所での分散した業務の、コンピュータ支援が効率的に行なえるようになった。さらにWebだけで住宅を販売するといったことを行っている第三世代の住宅供給業者も登場している。 また第5の特徴は「規模のフレキシビリティー」である。専用の工場を必要としない、ネットの活用、地元業者の活用などによって、比較的小規模でもビジネスを始めることができるし、また需要が増大してもそれほど投資することなく、需要に対応させビジネスを拡大させることができる。
by thirdage
| 2012-06-07 17:13
| 第三世代の住宅供給業者
|
ファン申請 |
||