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住宅VCは会員組織であるので、当然時間が経つってくると脱退する加盟店も出てくる。FCの場合、毎年5~10%が脱退している。住宅VCも2000年以降会員数を毎年減少させているところが多い。 VCの場合、FCと違って会員相互のつながりがあるので、VC本部と加盟店との関係もビジネスとして割り切ったものではなく、じめじめしたものがある。しかも個々の加盟店の独立性が高いので、加盟していてもVC加盟店としてはほとんど活動していない場合もある。 そのためVCとして一定の規模と活力を維持し続けるのは、なかなか難しい。住宅FCならば加盟店が脱退したエリアでの覇権を維持するために、直営店を出店するといったことも可能であるが、住宅VCの場合そうはいかない。 新たな加盟店を募集し続けなければならないが、VCに加盟してパワフルに活躍してくれる工務店は、もうそれほど残っていない。経営がうまくいかずVC頼みの工務店が入ってきても、FCと違って独立性を尊重するシステムであるので、完璧な経営指導は難しい。 また住宅VCは、FCのように住宅ビジネス全体をパッケージにしたものでないので、ある程度続ければ、そのノウハウはすべて習熟してしまうので、本部からの特殊な部材や装置の購入が不要ならば、加盟しているメリットはなくなってくる。VC本部にとって、加盟店数の維持はそう容易ではない。 いっぽうVCの提供する内容によって、必要な規模も変わってくる。①断熱パネルやソーラー装置など、オリジナルな部材や機器を使う場合は、200社程度は必要となる。②海外のパネル工場で製造した資材を使う場合は、100社程度の加盟が必要である。③ローコスト住宅などならば、100社未満でも住宅VCの運営は可能である。 VC住宅の場合、テレビや新聞よりは、チラシのポスティングや新聞折り込みなどによる広報宣伝が有効であるので、必ずしも全国をカバーする必要もない。また資材の購入にしても規模が大きければ大きいほど安くなるといったものではないので、こうした面からも住宅VCの規模は、それほど大きなものでなくてもよい。 これまでの住宅VC(ボランタリーチェーン)は、住宅・商品システムの提供、輸入住宅・部材の提供、工法や生産ノウハウの提供、特殊な性能、差異的性能部材・システムの提供、プレカット・パネル部材、地域材の提供などであったが、1990年代の終わりにインターネットを通じて工務店の情報化を支援するVCが登場してきている。 今後登場が期待される新たな住宅VCは、インターネットを通じて、工務店の営業活動を支援する効果的なポータルサイトの運営ではないだろうか。しかもサイトの加盟店は、サイトのポリシーにもとづいて厳選された工務店でなければならない。類似した試みは始まっているが、参加している工務店が厳選されていないので、内容に信頼性もなく作られているものに魅力も感じない。
by thirdage
| 2012-06-07 09:07
| VC
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