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木造戸建住宅を主としている工務店は、営業機能、企画・設計機能、資材調達機能、部材加工機能、施工機能、施工管理機能といった家づくりに関してのすべての機能を担っている。しかし多くの工務店は、営業機能が弱く仕事の確保に苦労している。 さらにそれに加え、企画・設計機能が不足しているところも多く、売るための得意とする商品がなく、営業そのものが難しいという工務店も少なくない。 そこでこうした工務店の不足した機能を消費者エージェントが補完すれば、住宅メーカーや住宅FCなどでは作りえない、木造の良さを活かした消費者主体的の家づくりが可能になるはずである。 既存の住宅関連産業の中で工務店は、消費者エージェントと最も良い組み合わせになりうる関係にある。第1には、工務店はブランド力も弱いし、営業力も高くはない。消費者エージェントが窓口になれば、仕事の確保も可能になる。第2には設計事務所との組み合わせの場合、工事費の10%ほどの設計料がかかるが、工務店は設計機能を持っているのでその費用は少なく、消費者に新たな負担を求めないで済む。 第3に車の普及で工務店の施工可能地域が大きくなっているので、消費者エージェントが地域に制約されることなく、多くの工務店の中から住まい手の要望を実現しやすいにところを選ぶことが可能になっている。 また企画・設計機能が不足している工務店にとっても、消費者エージェントとのコラボレーションは可能である。住宅のコスト調査では、住宅メーカーの方が工務店より、15~20%ほど高くなっている。これは広告宣伝費を含め本社経費など固定費の高さからきている。 したがって工務店による家づくりでは、設計事務所の設計費用や消費者エージェントの費用を支払っても十分に大手住宅メーカーとの競争が可能であると言える。しかしその場合、設計事務所と工務店は、一対一の関係がよい。設計事務所の設計したものを、いくつかの工務店の中から特定な工務店が選ばれてというのではなく、工務店と設計事務所はいつも一緒に仕事をしている間柄といった方が、よい結果が得られるはずである。 設計と施工はそう単純に分離できるものではないし、どんな設計でもこなせる器用な工務店というのもそうはいない。習熟効果が期待できないので、時間もかかるし、費用もかかり、トラブルもおきやすい。 マンションの構造計算偽装で、建設会社と設計事務所の一体となった関係が問題にされているが、設計と施工が分離されていたからといって、そうした問題が発生しなかったわけではない。むしろパートナリングなど、設計、施工関係者がパートナーシップを組んで総合的に取り組んでゆくメリットの方が評価されている。
by thirdage
| 2012-06-07 11:55
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