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WEBによる住宅コンペだけを行なっているサイトの場合、年間実施されるコンペはそれぞれ25件程度とそれほど多くはない。住宅コンペを行なっているサイトは、現在8程度あり、住宅コンペはすべて合わせても年間200件程度でしかない。 しかしそれぞれのサイトに登録されている設計事務所は、400~1700社となっているが、重複を考慮すると5000社ほどの設計事務所が、住宅コンペサイトに登録されているものと考えられる。一級建築士事務所のうち施工会社に属さず、住宅を主体にしているとなると、その数は全国で2万社程度であるので、そのうちかなり多くの設計事務所がコンペサイトに登録されていると言える。 年間に建設される注文戸建住宅からすれば年間200戸はほとんど無視されてしまう数でしかない。またコンペに参加する側からしても、コンペの件数は25年に1回しか実際の仕事に結びつかない程度でしかない。 もちろん一つのコンペに参加するのは10社程度であるので、一つのコンペサイトでもすべてのコンペに参加すれば、年に一つか二つは実際の仕事に結びつく可能性もある。しかしそれでも、指名ではなくだれでも参加できるオープンなコンペは、採用される可能性が少ないので、提案する側もそれほど時間をかけることはない。そのため必ずしもオープンなコンペで気に入った提案が集まるとは限らない。 むしろ2~3社を指名してコンペをした方が、力のこもった提案が集まるが、それではコンペに参加できる設計事務所が限られてくる。年25回のコンペの開催サイトだと最大で75社程度の設計事務所がコンペに参加できるに過ぎない。 コンペの案件の少なさが住宅コンペサイトの最も大きな問題であると言える。案件の少なさの理由として、まず第一には建築家や設計事務所にわざわざ設計料を払ってまで仕事を頼もうという人が、それほど多くないということが挙げられる。それでも年間数万棟はあるはずなので、住宅コンペサイトの年間200件はあまりにも少なすぎる。 そこで第二の理由として住宅の設計が、コンペといった提案競争に向いていないのではないだろうかといったことが挙げられる。コンペはどうしてもビジュアル的に訴える提案が評価されがちであるが、住宅はむしろカジュアルなものの方が良いのではないだろうか。コンペで出された提案は刺激的であるが、住みやすいとは限らない。 第三の理由としては、コンペサイト側の依頼主集めの企業努力不足が指摘できる。住宅訪問番組やリフォーム番組など結構人気を集めている。そうした番組などとの提携や、住宅雑誌との提携を行なえば、何倍かの顧客集めは可能なはずだ。 しかしいずれにしても、住宅コンペサイトが年間数1000戸といった数になるとは考えにくい。建築家に頼むにしてもむしろ過去の作品や地域などから、最適なマッチングを行なう方が、依頼主にとっても受ける側にとってもメリットが大きい。
by thirdage
| 2012-06-07 11:53
| コンペサイトとエージェンシー
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