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日本では注文に応じて住宅を作ることが当たり前になっているが、先進国の中では注文住宅が多いのは、日本とドイツだけである。アメリカやイギリスはほとんどすべてが建売住宅で、注文で住宅を作るのはよほどのお金持ちでしかない。 しかし30万人以上の一級建築士が登録されているが、建築家に設計を依頼して、その設計図面にもとづいて工務店が施工するといったケースは、それほど多くない。工事費の10%ほどの設計料が必要というだけでなく、建築家は個性が強く、気に入った設計をしてくれる建築家に、なかなか出会いにくいといったこともその原因となっている。 依頼者の要望にもとづいて、建築家が参加にして行なわれる住宅コンペによって、また消費者エージェントを通じて、気にいった建築家に出会えるサイトがインターネットで始まっている。 わが国で個人向けのインターネット接続サービスが始まったのは、1994年のことである。その都度アクセスポイントに電話をかけてインターネットに接続するダイヤルアップ接続で、接続スピードは遅くしかも電話料金を気にしながらのインターネット利用で、利用者の数は極めて少なかった。 1996年になるとケーブルインターネット接続サービスが始まり、CATV利用者に限られるが定額制の常時接続が行われるようになった。いっぽう電話線利用による定額制の常時接続で高速アクセスのADSLも1999年から始まり、2002年度末には600万世帯以上で利用されるようになった。 こうしたインターネットの普及にともなって、1990年代後半から、WEB上で顧客の要望に応じた住宅設計コンペが行われるようになってきた。さらにこれに合わせて、建築家の作品やプロフィールをWEBに載せ、また信頼できる工務店をWEBを通じて紹介する消費者エージェントのサービスも始まっている。 必ずしも実数を反映しているとはいえないが、ランキングサイトによると、住宅コンペサイトで最もアクセスが多いのはハウスコで、以下ウイークエンドホームズ、ザウスコミュニケーションズ、建築WEBコンペ、NET-COMPE、OZONE家づくりサポートといった順になっている。 住宅コンペサイトが設立されたのは、1997年のハウスコンペ(House Competition)が最初である。ハウスコンペは2005年ハウスコに名称変更されている。この変更は単なる住宅コンペを実施するサイトではなく、建築家の紹介や工務店の紹介など、消費者エージェントに内容を拡張させたからで、他の多くのコンペサイトもこうしたエージェントサービスを始めている。 住宅コンペは時間もかかるし、必ずしも気に入った提案が集まるとは限らない。そのため成約物件を増やすのは容易ではない。したがって今後はむしろコンペではなく、さまざまな情報提供によって建築家や工務店を紹介する消費者エージェントとしての役割の方がより多くなってくるものと考えられる。
by thirdage
| 2012-06-07 11:43
| コンペサイトとエージェンシー
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