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住宅FC業界で、もっとも長く社長を務めている加藤充社長は、「FCに参加することは時間を買うことである」としている。受注を増やすためには、顧客ニーズに合った商品開発や販促ツールの制作などを行わなければならないが、これらを単独で行うとなると多くの時間と試行錯誤が必要となってくる。FC本部はその答えやノウハウを持っているので、FCに加盟することによってそのための時間、費用を買うことができるというわけである。 2000年の国土交通省による工務店経営実態調査によると、住宅FCへの加盟動機として「営業力の強化」が56.5%と最も多く、「住宅商品を求めて」が49.4%と続いていている。住宅FCに加盟している工務店の約半分が加盟動機としてこの二つを挙げていることになる。これらにつづいて「施工の合理化」が36%、「ブランド力の活用」が33.3%、「資材購入費の低減」が22%となっている。 また加盟動機に工務店規模による差はあまり見られないが、「住宅商品を求めて」だけは工務店規模が大きくなるほどが高くなっている。年間供給規模1~4戸の工務店だと11.6%、5~9戸が21.9%、10~19戸が37.8%、20戸以上が39.9%となっている。 これは規模が小さい工務店だと「住宅商品」が提供されても、それを販売してゆくといったビジネスと、それまでの仕事があまりにもかけ離れていて、「住宅商品」を活用する魅力が少ないからであろう。 いっぽう工務店の規模が大きくなると、地域内で対応してきた客層には限界があるため、それ以上の拡大をめざした場合、新たな客層への対応が必要となる。そのために商品やブランドなどを新規に導入することにより、新らたな顧客開拓を行う必要性があり、それだけにFCの提供する「住宅商品」を活用する魅力が高くなっているものと考えられる。 また2001年に(財)日本住宅総合センターが実施したFC本部側に行なった調査では、工務店側はどのようなメリットを求めているケースが多いかに関しては「住宅商品を求めて」が81.8%、「営業力強化」が54.5%、「ブランド力」は27.3%となっており、加盟店側のニーズとは異なっている。 「住宅商品を求めて」が「営業力強化」の1.5倍と多いが、これはFC本部側としては、住宅商品なしでの営業力強化は、個別対応しなければならないのでなかなか難しいこととも関係しているはずである。 こうした調査結果をまとめると、FCの提供する「住宅商品」が十分活用できないような工務店では、住宅FCに加盟してもそれほどメリットがないということになる。すなわちある程度規模の大きな工務店でなければ、住宅FCに加盟するメリットもないし、本部側も売り上げが期待できないということになる。
by thirdage
| 2012-06-06 21:52
| FC
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