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MUJIがINFILL住宅を発売したニュースは、欧米にもすぐに伝わった。すぐにMUJIもついにIKEAのフラットパック住宅ビジネスに追従したのではないかといったことが話題となった。というのも欧米ではMUJIはJapanese IKEAと呼ばれているからである。 MUJIはイギリス、フランスやスウェーデンにも店舗を出している。Japanese IKEAと呼ばれるのは、無印良品の発想の基本が「モノの生産プロセスを徹底して簡素化することでシンプルで低価格の商品を生み出す」ということで、IKEAの企業理念と共通しているからである。 イギリスの友人は、その写真を見て無印良品の工業デザイナーが、MUJIのINFILL住宅を設計したのではないかと聞いてきた。というのもこの住宅はMUJIの棚などをぴったり合うよう設計された、プラットホームのように見えたからである。 INFILL住宅は、もともと躯体(スケルトン)と内装(インフィル)とを分けた住宅という意味であるが、これはオランダと日本でしか通じない専門用語である。英語ではむしろ船の艤装であるfit out の方がわかりやすい。infillには隙間を埋めるという意味があり、英語的に理解しようとすると、INFILL住宅はMUJIの商品がいっぱい詰め込まれた住宅ということなる。 MUJIのINFILL住宅を売り込みさえすれば、それがウィンドウズのようなプラットホームとなって、自動的にMUJIの商品が売れて行く、この住宅に対してかなり意地悪な見方をしている。 いっぽう別なイギリスの友人は、MUJIなどの店舗でこうした先進的なプレハブ住宅が売られるのは、より住宅が購入しやすくなり、住宅を持ちたいという顧客にもう一つの選択肢を与えることになるのでいいことではないかと好意的である。しかし土地なしで建物だけで1900万円にはびっくりしたようであるが、やや高いがそんなに悪くははない、日本の若者が好みそうなデザインではないか言った。 しかしMUJIの店舗でこの住宅が置かれているのは、有楽町店だけである。IKEAは彼らの住宅をイケアストアで売っている。「MUJI+INFILL木の家」も既存のハウスメーカーと同じように、各地にモデルハウスを建設し、そこを拠点として住宅を売るのではなく、新たな住宅の売り方を提案すべきではなかったのではないだろうか。 「モノの生産プロセスを徹底して簡素化することでシンプルで低価格の商品を生み出す」といったMUJIの発想からすると、モデルハウスでの住宅の販売ほど無駄なものはない。
by thirdage
| 2012-06-04 09:07
| IKEAとMUJIの住宅
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