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飯田産業について、さらに事業の収益構造を見てみることにする。まず固定費に相当するのは、工事原価のうち経費の9億1885万円と、販売費及び一般管理費から支払手数料14億8213万円を除いた71億2772万円、支払利息など営業外費用の5億2238万円で、合わせて85億6895万円である。 いっぽう変動費は、747億7632万円で、売り上げは1007億円となっている。固定費率は、8.5%、変動費率は74.26%となっている。損益分岐点は、85億6895万円÷0.2574=332億9040万円となっている。損益分岐点比率は、33%で売り上げが現在の1/3にならなければ利益は出ることになる。 2004年全産業の損益分岐点比率は82%、製造業の大企業で72%程となっている。損益分岐点比率が50%を切っているのは、電子コネクター部品のヒロセ電機などであるがこうした企業は極めて少ない。 いっぽう三井ホームの場合、固定費は368億600万円、変動費は1110億3200万円となっている。売り上げは1493億6700万円であるので、固定費率は24.64%、変動費率は74.34%となっており、損益分岐点は、368億600万円÷0.2566=1434億3725万円となっている。売り上げが現在より4%少なくなれば利益が出ないことになる。 このようにパワービルダーは、固定費率を住宅メーカーの16.14ポイントも少なくしている。これは住宅メーカーと違って住宅展示場による販売方法でないため、地代家賃、減価償却費、人件費を安く抑えている。さらに費用の変動費化を行うため、販売も40%程度は外部に委託している。 損益分岐点が低いため、パワービルダーのリスクは売り上げの減少ではなく、売れ残りである。しかし利益率が高いので、たとえ完成在庫が生じても価格を下げることによって、早期に販売することが可能である。 完成在庫物件については、まず完成後3ヶ月程度経過すると、ホームシアターセットのプレゼントなどの販促キャンペーンが行われ、さらに売れ残ると価格の引き下げとなる。
by thirdage
| 2012-06-03 07:11
| パワービルダー
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