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2003年いくつかのパワービルダーが東京証券市場一部に上場されたが、とくに2003年7月に上場された飯田産業は、その10ヶ月後に株価は7.5倍にもなって、株の時価総額は1000億円以上となって話題になった。しかし株価はその後下がり、2005年には600億円程になっている。 その飯田産業の2005年の有価証券報告書によると、2004年度の売り上げは1007億円、営業利益は113億円(11.2%)となっている。販売費および一般管理費は、72.8億円(7.2%)で、その内訳を見ると広告宣伝費が19.8億円(2%)、支払手数料が14.8億円(1.5%)、人件費が21.7億円(2.2%)となっている。 また不動産販売原価824.8億円のうち土地購入費は545.5億円、材料費74.6億円、労務費が5.7億円、外注費189.9億円、経費が9.2億円となっている。 これを平均販売価格である3400万円の住宅として、その価格の内訳を見てみることにする。土地の仕入れは1842万円、区画整備、外構工事、浄化槽工事、電気水道の引込工事などを含めた建設費は、943万円となっている。住宅建設費は800万円程度と思われるが、工事原価で坪26万円程、販売価格で坪32万円程度で、しかも規格化された住宅、それほど無理をしなくてもできる金額である。 大手住宅メーカーとの比較を行ってみることにする。売り上げが飯田産業の1.5倍程ある三井ホームの場合、2005年の有価証券報告書によると、販売費および一般管理費は、20.1%でパワービルダーである飯田産業の3倍程になっている。これは住宅展示場でのモデルハウスによる営業に依存していることからきている。そのため人件費も8.2%とパワービルダーの4倍にもなっている。 広告宣伝費1%、販売促進費および支払手数料が1.5%と合わせるとパワービルダーの70%程となっている。住宅メーカーの広告宣伝は目立っているが、広告宣伝費の比率はパワービルダーの方が多くなっており、絶対額でも三井ホームは15.7億円と飯田産業より少ない。 さらに個別物件ごとの経費も、工事原価に対して飯田産業は3.9%でしかないが、三井ホームは12.3%と販売費および一般管理費がそうであったように、設計・施工に関しての経費も3倍程になっている。これは住宅メーカーが物件毎に個別設計をしており、その設計費用と個別性から資材や工事発注、工事管理の手間がかかるからである。 このように設計、施工、販売段階での経費がすべて大手住宅メーカーの1/3に抑えているのが、パワービルダーの強さである、高収益を上げている源泉でもあると言える。
by thirdage
| 2012-06-03 06:57
| パワービルダー
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